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zoom RSS 08 全日本テニス 女子決勝 クルム伊達VS瀬間

<<   作成日時 : 2008/11/17 23:46   >>

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 10年を超えるブランクの後に現役に復帰した伊達の試合をテレビで観た。相手の瀬間選手はエキゾチックな風貌だが、父親がフランス人だそうである。試合結果は伊達が6−3、6−3で瀬間を下して同大会16年繰りの優勝を飾った。
 伊達が本大会の決勝まで勝ち上がったことをニュースで知り、何とも不思議な思いがしていた。普通10年のブランクがあれば復帰は難しいからである。これは、本人の体力的な問題もあるが、ラケット等の進歩に伴なう技術的な変化により、以前の技術では対応できなくなることも予想されるからである。また技術的な変化に伴なう戦術の変化もある。先日のAIGオープンの男子準決勝と決勝を2試合見たが、出場した3選手とも厚めのグリップで打点を前にしたフォアハンドと両手打ちのバックハンド、それと強力なサーブを備えていた(男子プロテニスの3点セットだろうか)。強力なストロークが可能になったため、以前ならチャンスボールではなかったボールも、相手に打ち込まれるようになった。両手打ちバックハンドも強力なサーブも、相手にチャンスボールを与えないという点で、有効性が高い。そのため、彼らの試合は総じて、強打の応酬に終始する。チャンスボールがくれば、その決定率は非常に高いため、その後の攻防はほとんど見られない。相手からチャンスボールを引き出すまでが勝負だが、それも強打に頼らざるを得ないというのが現状と思う。彼らがボレーが不得手かというと、決してそうではなく、結構器用にこなすのである。つまり、勝つ確率が最も高い戦術としての強打の応酬なのだろう。

 瀬間選手がクルム伊達に敗れた理由はいくつかあると思う。1つはプレースタイルの違いにある。早い展開で角度をつける伊達は球足の速いコートに適しているが、比較的じっくりと打つ瀬間にとって有明のハードコートはあまり相性が良くないように感じた。
 サウスポーの瀬間はバックハンドは両手打ちでコンスタントにハードヒットができるが、フォアは比較的薄めのグリップのように感じた(彼女がフォアでスピンをかける時にバックスイングが大きく打点を後ろにしているように見えたから)。試合ではムーンボール風のトップスピンのフォアを使っていたが、本来はもう少しフラット系のハードヒットが多いのではないだろうか。サーブはスライスがスピンより多かったようで、フラットサーブはほとんどなかったように感じた。
 コートの相性のほかには、瀬間の戦術的な誤りがあったと思う。序盤にムーンボール風のフォアを多用していたが、ほとんど効果がなかった。伊達は以前は世界ランキング4位だったが、あの体格でそこまで上がれたのは、テクニックが優れていたからである。その伊達に対して、テクニックで勝負するというのなら、あのような選択もあったと思うのだが、伊達はバックスイングが大きい瀬間のフォア側に球足が速いショットを送ってポイントを重ねていた。テクニックに対抗するには、パワーとスピードが有効である。瀬間にそれが全くないようには見えなかったのだが、それを生かす術は知らなかったようである。
 伊達が早いタイミングで効果的なショットが打てるのは、コースと球種の判別が容易な時である。伊達のプレーが良く見える時は、相手のプレーがワンパターンになっていることが多い。たとえ相手は変化をつけているつもりでも、伊達にとっては想定内なのだ。相手に読まれないコースの打ち分けや、球種の微妙な変化(回転数によりバウンドの仕方は微妙に変わる)を使えば、伊達が早いタイミングでコントロールしたショットを打つことは容易でない。パワーやスピードはそのような変化の中で使った時に生きる。相手が構えているコースに同じようなショットを打つだけで、ポイントを取れる展開に持ち込めるのは、桁外れのパワフルなショットがあるか、相手の技術が著しく劣る場合だけであろう。
 また瀬間はほとんどフラットサーブを打っていなかったのだが、例え確率が悪いとしてもフラットを使うことによりスライスやスピンの威力は増すと思う。そうすれば、サービスゲームをもう少し容易にキープできたのではないだろうか。スタミナ面に不安がある伊達に勝つためにもベストなプレーぶりだったかというと疑問が残る。

 

 

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