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zoom RSS 14 ATPファイナル 準決勝 ジョコビッチVS錦織 

<<   作成日時 : 2015/01/09 03:14   >>

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 2か月近く前の試合について書く我が身を嘆きながらも、錦織の2014年の活躍に敬意を表したいと思う。

 2014年の全米オープンでは3−1で錦織が番狂わせを演じた組み合わせだが、この試合は6−1、3−6、6−0でジョコビッチが勝利した。
 コートカバーリングに自信を持つジョコビッチは、一部の上位ランクの選手以外の相手には、かなり余裕を持ってストロークをしているが、全米オープンでは錦織の粘りと強打に不覚をとったからか、この試合では最初からエンジン全開の様子だった。まずサーブがライン際に鋭くきまり、ストロークもライン際に入れるため、錦織からの攻撃がほとんど見られなかった。ジョコビッチのサーブで始まった第1セットは、お互いにキープした1-1からの第3ゲームでサービスエース2本を含む4連続サービスポイントのラブゲームでキープしたジョコビッチの決然としたプレーぶりに気圧されたわけではないだろうが、その後4ゲームを連取したジョコビッチが取った。
 ジョコビッチのプレーは、錦織の弱点をついていた。錦織は、ある程度の高さがあるボールを打点を前にして打つ場合に最も強打できるのだが、ジョコビッチはバックライン際の深いボールに加えて、コーナー近くに入れて彼の強打を封じた。また、ボールをコーナーに入れなくても、例えば錦織にバックハンドを意識させた配球をしながらフォアに送れば、早いタイミングで捉えることはできない。第6ゲームに見られたプレーとして、錦織からのクロスのフォアストロークに対して、ジョコビッチがダウンザライン深くにストロークを入れると、錦織は下がりながら両手打ちバックハンドで無理にクロスに強打して体勢を崩す。すると、ジョコビッチはフォアのダウンザラインに少し浅めのストロークを入れて、錦織が強打できずにクロスにつなぐように返球したボールを、再びダウンザラインに強打した。錦織は何とかバックハンドのスライスで返そうとするがネットにボールをかけてポイントを失う。また、デュースコート側にいるジョコビッチが狭いスペースを狙ってバックハンドの逆クロスを入れると、当然ながらクロスを予測していた錦織の対応が遅れてフォアで返したチャンスボールを錦織のバックハンド側のコーナー付近に入れる。やっと追い付いた錦織はスライスで返そうとするがネットにかける。
 以上のように、ジョコビッチはストローク戦では無理にエースを取ろうとせずに錦織にミスをさせるような攻撃をしたため、自らはストロークのミスも少なく、非常にスムーズに第1セットを取った。

 第2セットは錦織のサーブで始まったが、最初のポイントをダブルフォルトで落とす。すると、これではイカンを思ったのか、錦織は今までつないでいたベースライン付近のショットで、フォアハンドを強打し始めた。15-40とブレイクポイントを握られると、強力なフォアの強打で1ポイント返すが、次はライジングの強打したフォアをミスヒットしてジョコビッチにブレイクを許す。状況を打開するべく始めたであろう多少無理がある強打は、続く第2ゲームでも見られ、ジョコビッチのセカンドサーブをフォアにまわり込んでライジングで叩くなど攻撃的なショットが目立つようになった。錦織の強打に対して、今までの冷静なプレーぶりから一転、多少張りあうように打ち合ったジョコビッチだったが、30-30からのファーストサーブで足元に強いリターンを返されると、うろたえたようなフォアの逆クロスをネットにかけて、錦織にブレイクポイントを与える。次のポイントはジョコビッチのダブルフォルトで錦織がブレイクバックをする。ジョコビッチの繊細な面が見られたように思う。しかし、このまま劣勢になることはなく、第4ゲームでは良くコントロールされたサーブをコーナーに入れてジョコビッチがラブゲームでサービスをキープした。
 その後、サービスキープが続き、錦織の4-3で迎えた第8ゲームで、ジョコビッチは2NDサーブをクロスコーナーを狙うがダブルフォルトして0-15とするが、30-30まで戻す。次のラリー戦で、錦織がフォア側にきた短いボールを低い打点で強打したショットをコートに入れてジョコビッチからチャンスボールを引き出してポイントを取り、ブレイクポイントを握る。次は、ネットに出たジョコビッチにロブを上げるとスマッシュかボレーか迷ったような中途半端なボレーで返ってきたボールを、しっかりとエースで決めて錦織が1セットオールにした。状況を打開しようとする錦織の決断力と意思の強さを感じた。

 第3セット第1ゲームで、サーブのジョコビッチは15-40をブレイクポイントを握られるが、ここで冷静にストロークを散らして、勝負を急ぎ多少強引に決めようとする錦織からファオとバック、2本のダウンサラインのネットアウトを誘いデュースに戻す。次のポイントでは1stサーブを入れサービスポイントでアドバンテージを得ると、続くポイントで2ndサーブの上がりっぱなを叩こうとする錦織に対してサイドライン際にコントロールしたサーブを入れる頭脳的なプレーでゲームをキープした。その後は、ジョコビッチの冷静なプレーに対してミスを誘われる場面も増え、ジョコビッチの3−0で迎えた第4ゲームでは、錦織はダブルフォルトでデュースにされると、アダバンテージを取られた後の2ndサーブではジョコビッチのリターンをファオで打とうかと一瞬迷ったバックハンドをネットにかけブレイクされるなど、錦織の集中力が多少落ちたように感じられた。
 4-0で迎えた第5ゲームをジョコビッチはサービスポイント2本を含めたラブゲームでとる油断の無いプレーぶりを見せる。続く第6ゲームは錦織のダブルフォルトで終わり、ジョコビッチが全米オープンの雪辱を果たした。

 ジョコビッチが冷静にプレーすれば錦織に負ける確率は低いという印象をもった。また炎天下で体調不良をみせることがあるジョコビッチからすれば、その心配がない屋内ならばさらに勝率は高くなるだろう。



 2014全米オープンでの錦織には驚かされた。何と言っても4回戦と準々決勝で続けて5セットをプレーしながら準決勝でジョコビッチに勝つスタミナが残っていたのには驚いた。1つには足の治療のためにしばらく練習もできない状態で大会に臨んだために、体力が温存されていたことがあると思うのだが、プレースタイルの変化も影響しているだろう。サーブに対する意識の変化が目立つ。打ち方はそれほど変わっていないが、1stサーブでサービスポイントを狙って打っていることがわかる。以前はストローク戦を優位に始められる程度のサーブを打っていたように思うが、この変化により以前より容易にサービスゲームをキープできるようになっている。ストローク戦が減れば、相手のサービスゲームにより集中できるだろう。このサーブの変化については、コーチのマイケル・チャンの影響があるように感じられる。現役時代のチャンはストローカーで粘って粘ってポイントを取りながらも、その後のポイントではサンプラス、シュティッヒ、イバニセビッチ等々のビックサーバーにサービスエースを続けられるという理不尽な状態に甘んじていたが、ついには長めのラケットに替えて自身がビックサーバーに近づくことで対抗しようとしたほどで、サービスの重要性をよく理解しているはずだ。攻撃的なリターンや、ストロークの展開についても、より早くポイントをとることを目指しているように感じるが、それは体力的、技術的に錦織のストロークの特徴に合った戦い方だろう。

 

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