君よ憤怒の河を渡れ

アクセスカウンタ

zoom RSS 16 全米テニス男子 準々決勝 錦織VSマレー

<<   作成日時 : 2016/09/11 02:41  

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 現在世界ランク2位のマレーに錦織が1-6, 6-4, 4-6, 6-1, 7-5のフルセットで競り勝った試合は、錦織の稀有な才能を感じさせた。サーブ、ストローク、コートカバリングのいずれにおいても、マレーは明らかに錦織よりも優れている。そのマレーに勝つことができたのは、いくつかの要因を差し引いても、錦織の特異な能力が発揮された結果だろう。

 マレーのサーブで始まった第1セットの第1ゲームは0-40と錦織がブレークのチャンスをつかむが、マレーにキープされた。錦織は第2ゲームをキープした後はゲームを取ることが出来ずに、1-6で第1セットを失ったが、このセットの2人の様子を描写するなら、マレーは公園で散歩でもしているかのようにプレーし、錦織は特攻隊員のような必死の形相で奮闘しているようであった。技術の差がそのまま表れたようにも感じた。
 第2セットのマレーは、より集中して用心深くプレーをしていた(散歩からジョギングに変わったように)。それは実際、錦織が第1セットよりもポイントを取れるようになったからでもあるが、錦織のプレーの傾向を知っているからだろう。錦織は、フルセットマッチでの勝率が非常に高いことで知られている。これは、彼のショットの特徴からすると、試合中に相手のプレーのパターンを捉えて対応していく能力が高いことを仮定すると理解できる。
 競り合い始めた中で、第5ゲームでマレーは錦織のサーブをブレークするが、そこで安心したかのように続く第6ゲームでブレークバックされる。第7ゲームの途中に、降雨のため屋根を閉めてプレーは再開されたが、第10ゲームに錦織がブレークして第2セットを取る。

 第3セットの第1ゲームはマレーがラブゲームでブレイクしたのだが、最後のポイントが目を引いた。ネットに出た錦織に対してマレーはバックハンド側の足元にボールを沈めて、ネット前の錦織の目の前で余裕を持ってストローを打つチャンスを得たのだが、相手の体にふわりとした緩いボールを送ってポイントを取った。グランドスラムのタイトルを取るために奮闘していたころのマレーは、同じような状況でフェデラーの顔めがけて、ファオの強打を打っていた。錦織のネットプレーの技術を考慮しても、何ともリラックスした対応で、緊張感の欠如を感じさせた。続く第2ゲームで第1セットと同じようにすぐにブレークバックをされる。
 その後、第7ゲームで錦織のサーブをブレークしたマレーは、続く第8ゲームではさすがに慎重にプレーをして40-0とするが、そこで安心したのかそこから逆転でブレークされてしまう。40-15からは、絶好のチャンスボールを錦織のいる場所へ打ってカウンターでエースを取られる失態も見せていた。第9ゲームを再びブレークしたマレーはさすがに第10ゲームは集中したのか、良いサーブを入れてキープして、長い道のりながらセットカウント2-1とした。

 第4セットの第3ゲームで、ブレークポイントをつかんだマレーは、30-40からのラリー中に音響設備の不具合と思われる大きな音が響き渡ったことを理由にプレーをとめてリプレイさせた主審に対して、錦織にキープを許した後で、「なぜプレーを続けさせなかったのだ」とクレームをつけていた。するとその直後の第4ゲームで錦織にブレークを許し、そのまま1-6で第4セットを失う。

 第5セットは、マレーがサーブの第1ゲームで、錦織がいきなりブレークして始まる。マレーはそれでもストローク戦では、その技術を十分に生かしたラリーを繰り広げて、錦織からポイントをあげていたが、ストロークラリーで劣勢とみるとネットプレーを続ける錦織に、意表をつかれたかのようにポイントを失う。第3ゲームでは、明らかにオンラインに見えるマレーのエースに対して、アウトのコールをした線審に対して、チャレンジのCG確認中に、「Come on ----」と叫び、しっかり見て欲しい旨を伝える一幕も交えながら、第4ゲームにようやくブレークバックするが、ほっとしたのか続く第5ゲームで再び錦織にサーブをブレークされる。錦織が4-3で迎えた第8ゲームでは40-0から逆転してブレークバックしたマレーだが、ここまでくると底力なのか要領が悪いだけなのかわからない感じがしてくる。ここまで泥縄になると、さすがに勝利の女神に見放されるのか、このセットを5-7で落としたマレーが錦織に準決勝進出を許した。

 今年の5月から再びレンドルをコーチに迎えてから、好調を維持していたマレーだが、ブレークをした後にすぐブレークバックを許す気の抜けたプレーぶりは、ショットで言えば錦織のファオの浅いところにほどよくスピンがかかた浅いストロークを何気なく打っていたように、精神的疲労による注意力の散漫が原因だったのだろうか?「できることはやった」と試合直後のマレーは言ったそうだが、現役時代に無敵を誇ったレンドルコーチのアドバイスを聞いてみたい気がする。連勝することの難しさをよく知っているレンドルなら理解できるのだろうか。

 このような事情があっても、マレーを破った錦織のプレーの素晴らしさは感じられる。体格的、技術的に難があるネットプレーで、あれだけポイントがあげられるのは、相手のプレーを予知する能力が高いことに他ならない。彼がスロトーク戦で有利になる場合も、相手のショットに対する準備ができているからだろう。たとえ相手の技術のほうが優れていても、それを凌ぐプレーができる能力は、おそらくは平らな粘土にお面でも押し付けて、その型を取るように順応していく感覚ではないだろうか?世界ランク2位の選手に勝てるということが、おそらくは言語的な理解を介さないその能力の特異性を感じさせる。

 

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
16 全米テニス男子 準々決勝 錦織VSマレー 君よ憤怒の河を渡れ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる