君よ憤怒の河を渡れ

アクセスカウンタ

zoom RSS 15 全豪テニス男子準々決勝 バブリンカVS錦織

<<   作成日時 : 2015/01/31 00:51   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 14年の全米オープンでは、フルセットで錦織が勝った組み合わせだが、バブリンカは明らかに錦織が不得手とするタイプのプレーヤーなので、意外に感じた。錦織が苦手としているのは、フラットに近い軌道の強力なストロークを打てる選手で、この軌道のストロークは浅く入ることはないため、理由は後述するが、錦織が十分のポジションでストロークを打つことが難しいのだ。今回の対戦は、6-3、6-4、7-6(6)でバブリンカが勝利した。

 第1セットでは、途中でバブリンカが比較的緩いスピン系のストロークを送ると、錦織はここぞをばかりに強打してミスショットを繰り返していた。このミスショットはバブリンカの通常のストロークが頭にあるからこそ生まれたものだろう。
 第2セットでは、錦織がストロークからネットに出る場面もあったが、見かけによらぬバブリンカのバックハンドスライスでショートクロスへパスを決めるというタッチショットも見られた。バブリンカが5-4で迎えたサービスゲームで、錦織が粘り15-40として、デュースも含めて3度ブレークポイントを握るが、すべてサービスポイントでセーブされて、結局キープされた。
 第3セットは、第2ゲームで錦織がラブゲームでブレークするが、第3ゲームでブレークバックされた。その後、バブリンカとのストローク戦を嫌がった錦織がサーブ&ネットという彼らしからぬプレースタイルの奇策でサービスゲームを続けてキープしてタイブレークにもつれ込んだ。
 タイブレークはバブリンカの6-1になったが、気が緩んだのではないだろうが、6-6まで錦織が追い上げた。しかし、次の錦織がサーブのポイントで、ストロークの応酬から、ベースライン付近からフォアの逆クロスで狙った錦織のドロップショットがネットアウトすると、次のポイントでバブリンカが勝利を決めた。

 WOWOWのテレビ中継の解説者は松岡修造だった。おかしな発言が多く、解説無しで観戦したいという強い欲求を起こさせるが、時々、的を得たことを言う。「錦織には読みが全て」との旨の発言は、錦織にとって相手のショットを読むことが非常に重要であることを気付かせてくれた。
 錦織のフォアは、グリップが厚く打点が前になる。これは、打点が後ろの選手に比べると、その打点の差の距離の分だけ、早く打つ体勢に入らなければならないことを意味する。またバックは両手打ちであり、片手打ちと比べるとリーチが短いのでその分、ボールに近づく必要がある。これは、グリップが比較的薄く、片手打ちバックハンドの選手と比べると、同じ場所に来たボールを打つにしても移動するスピードが早くなければいけないということなのだ。
 178cmと比較的小柄で腕のリーチも限られる錦織にとって、上記の条件でプレーするためには、相手のショットのコースを読むことが重要なのだろう。錦織が試合の後半に調子をあげることが多いのも、相手にショットに慣れコースの予測が容易になり、十分な態勢でストロークを打つ頻度が上がるからと思われる。

 ボールは一度バウンドするとスピードが著しく減速するため、スピン系であまり深いストロークでなければ、フットワークの負担はかからない。しかし、バブリンカのようにフラットに近い軌道でベースライン近くにストロークを打たれると、たとえコースが読めたとしても十分な態勢で打つことは難しい。そのために、必然的にベースラインの後方で打つことが多くなるのだが、そこからでは角度をつけることができないため、コースを狙って強打をしても、ベースライン後方に相手がいれば、錦織がエースでポイントをとることはできないのだ。
 バブリンカはフォアは錦織よりグリップが薄く、打点が後ろになるため、コースを隠しやすく、バックハンドはフェデラー等と比べると腰を落として打てるため、リーチが長くストロークに角度をつけやすい。そのため、ベースライン後方からでも錦織を攻撃できた。
 このような構造的な理由から、不利であったストローク戦を放棄してサーブ&ネットで、第3セットをタイブレークまで持ち込んだ錦織の勝利に対するこだわり(メンタルタフネスというのだろうか?)は素晴らしい。しかし、それは即興に近いものだ。第3セットのダイブレーク6-6からの、ドロップショットについて、錦織は「一番悔やむ。あそこでミスしてしまったのが精神的につらい」、「あれを取っていたら、自分の中で何か変われた可能性もあった」と言ったそうだが、本当にそう思っているのなら、どこかの記事でテニス関係者も言っていたように、彼は本能的にプレイしている。そして、アタマはあまり使っていないのだろう。
 あのような重要なポイントで、リスキーなショットを選択することは合理的でない。錦織に知性があれば、サーブ&ネットという奇手ではなく、自分の得意なフォアのストロークでポイントを取れるような状況をつくりだす方法を模索しただろう。バブリンカのポジションを前に出すのであれば、重要でないポイントでドロップショットを多用してもよかったし、スライスで前に出すようにしてもよかった。、ショットの精度を狂わせるのであればスライスに加えて、ムーンボールに近い回転量の多いストロークを混ぜる方法もあったように思う。これらの方法を粘り強く行うこともできたのだ。もちろん、彼の打法による制約も多少はあるだろうが。

 どこかで、「錦織の打ち方は最新のものであり、これからテニスを始める人は皆その打ち方から始める」というような意見を聞いように思うのだが、球速が早く、機敏なフットワークが要求される打ち方を習い始めた者同士の2人でラリーをする光景を想像するのは、なかなか難しい。

 
 
 

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
15 全豪テニス男子準々決勝 バブリンカVS錦織 君よ憤怒の河を渡れ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる